
BUMAX®88ファスナーは、2019年4月に運転を開始したフランス北西部のブルターニュ沖に設置されたHydroQuest製の1MW潮汐タービンで使用されました。30mの深さのPaimpol-Bréhatサイトで2年以上運転した後、タービンに使用されたファスナーには腐食やかじりの痕跡は確認できませんでした。パイロットプロジェクト後にBUMAX社が実施したボルトの機械的特性(強度と延性の両方)のテストでは、ボルトがその特性を維持していることが示されました。
「このプロジェクトではボルトの締結に関連する問題は見つかりませんでした。また、分解中のかじりについても問題はありませんでした」と、Hydroquest社のプロジェクトディレクターであるRaphaël Coquet氏は述べています。 「これらの教訓は長期的な展開に向けた前向きな学習となり、私達は自信を持ってBUMAXボルトを使用し将来のタービンを製造することができます」
BUMAX®88グレードは、その高いモリブデン含有量と、局所的な孔食に対する高い耐性を示す耐孔食性指標(PREN)により選択されました。この316Lグレートのステンレス鋼は、要求の厳しい海洋用途のBUMAXファスナーに使用した場合に優れた実績があり、耐久性やメンテナンスフリーのソリューションを提供します。
「BUMAX社との仕事は、我々の特殊なアプリケーションに適したボルトを見つける手助けをしてくれる建設的なプロセスでした。」とCoquet氏は説明します。 「彼らとのミーティングは、私たちの設計を発展させるのに役立ちました。」
この潮流発電機のプロトタイプは、垂直軸型タービンの技術開発を手がけるフランスのHydroQuest社が設計したものです。Paimpol Bréhatサイトは、エネルギー会社EDFにより所有・運営されています。
プロジェクトパートナーは、20年の寿命を持つ潮流タービンの運用コストを最小化するために、メンテナンスフリーのファスナーソリューションを求めていました。耐久性に加えて、ファスナーの取り付けが簡単であることも必要でした。
BUMAX® 88ボルトが提供する耐食性、耐孔食性、高強度は、腐食性の高い海水環境でのメンテナンスフリー・ファスナーとして不可欠です。タービンの運転中にボルトの保守や交換を行う必要がないため、コストや危険な作業を回避することができるのです。
Paimpol Bréhatでのパイロットプロジェクトに続き、HydroQuest社はパイロットプロジェクトで得られた知見を統合し、同じくBUMAX® 88ボルトを使用する次世代潮流タービンの設計を進めています。この2.5MW潮流タービン7基は、ノルマンディー沿岸のRaz Blanchard地区で行われるFLOWATTプロジェクトに配備され、設計寿命は20年です。
FLOWATTの試運転は2025年、潮流タービンの建設は2023年に開始される予定です。
BUMAX 88 ボルト
引張強度 800N/mm²
耐力 640N/mm²(M16以下)
使用温度範囲 -200℃~500℃
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