昨年から今年にかけて737MAXは乗客乗員全員死亡という悲惨な事故が連続したことで、全機飛行禁止に追い込まれました。ボーイング社は、操縦特性補助システム(MCAS)の問題点を認識していたものの、「適切な対処を怠っていた」とのことで、CEOが米議会の公聴会で強い批判を浴びました。株主や投資家が求める高いリターン要求に経営者が応えようと、マネジメント層に圧力をかける時、組織全体が危険な状態に陥ります。スルガ銀行で発生したシェアハウスに関連した不正融資問題では、最終的に組織そのものが暴走してしまいました。
ボーイングはこの問題で大きなダメージを負いました。遺族への補償や運航停止期間の逸失利益に対する航空会社への補償は気の遠くなるような金額に上るに違いありません。安全性に対する社の意識に疑問符がつき、信用回復には長い時間が掛かることでしょう。企業のトップには、時に利益の創出を後回しにして、ステークホルダーに一次的な不利益を与えるとしても、「倫理・道義的に正しい判断が求められる」ということをあらためて自戒したいと思います。
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