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「地震 カミナリ 火事 台風」

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  2021年10月11日
 「地震 カミナリ 火事 台風」
  怖いものの順番は?

地震計

 深夜の電話会議に備え仮眠を取っていた木曜日の夜、緊急地震速報の警報音で慌てて飛び起きました。緩やかな揺れがしばらく続き、それがそのまま振幅が大きくなっていきます。まずはテレビの電源を入れたところ、ニュースの速報では震源地と各地域の震度の情報を、早口で繰り返し告げていました。

このあたりも比較的大きな震度を記録したようですが、「ドン!!」という短周期の揺れではなかったので、その時点の体感としてはあまり強い印象はありませんでした。ニュースとインターネットの報道をひと通りチェックした後、翌朝の鉄道運行のことを考えながら、再び床に就きました。金曜日は名古屋への出張を予定していたのです。

鉄道は地震があると線路の安全確認に時間を要します。特に総延長が長く、路線が入り組んでいるJRは顕著です。災害後の安全確認は「人による現地の目視が基本」ということを考えると、日の出が遅くなったこの時期、鉄道運行の開始はかなりずれこむと思われました。

翌日早朝のニュースで驚いたのは、首都圏で多くの帰宅困難者が発生したという点でした。新型コロナ禍で飲食店や商業施設の閉店が早まっているので、地震発生が深夜に近かった今回、まだ職場最寄り駅にいる退勤者が相当数に上るとは想像していませんでした。

5時半時点のJRサイトの情報では、「運転見合わせ、6時運行開始」との表示だったので、6時半に最寄り駅へ着いたところ、まだ運行は始まっておらず、ホームで列に並びながら、小一時間ほど待ちました。

反対方向はまだ混んでいない電車がニ本発着しましたが、新横浜方面は乗客が多い筈です。一時間を過ぎた頃に一本到着したものの、案の定「すし詰め超満員」で、とても乗車できる状態ではありません。さらに30分ほどして一本来ましたが、こちらも状況は同じで、出勤のために駅へ来る人に対して輸送能力が不足していることは明らかでした。その様子にホームの列から離れて改札へ戻る人が次々と現れました。

私も駅を出て周辺のコーヒーチェーン店に入り、メールや業務チャットアプリで社員と連絡を取りながら駅の様子を伺っていたところ、なかなか混雑は解消する様子がなく、一旦自宅へ戻り車で会社へ向かうことにして駅を後にしました。名古屋への出張は残念ながら中止です。

通勤風景 帰宅困難者

 当社では18年の北部大阪地震を教訓に、台風や地震で出社困難な場合には、無理に出勤しないことを申し合わせています。

北部大阪地震は、まさに朝の通勤時間帯に発生し、地下鉄を含む各鉄道が運行を見合わせる中、多くの人が盲目的に会社を目指して徒歩で出勤したものの、鉄道はそのまま復旧せず、夕方になって帰宅困難者が多数発生する事態になりまました。

当時「鉄道の運行再開が遅い」という声があったのですが、鉄道関係者も出勤途中で足止めを余儀なくされていたり、さらなる余震も警戒される中では線路の点検も慎重に進めざるをえず、時間が掛かるのは不可避でしょう。鉄道会社にとっては作業員も「従業員」であり、その身の安全を図ることは企業の責務でもあります。

また「会社から出社に関する指示がなかった」との指摘もありました。しかし、ある程度予想ができる台風と違い、地震の場合は発生時における社員の状況は様々であり、発生直後に会社側から統一的で行き届いた指示を出すことは明らかに困難です。

16年の熊本地震では大規模な地震が近日間で二回発生し、その結果死者・被害者が増えるなどのこともありました。地震の起き方は一様ではありません。

それ故、当社では以下の点について事前の申し合わせを行い、災害時には「まず身の安全を図る」ことを第一とするよう周知しています。

・公共交通機関の運行が確認されて無理なく出社できるようになるまで自宅に留まる。

・駅へ行って混雑がひどく、乗車できる状況でなければ自宅へ戻り、災害ニュースをチェックしつつ待機する。

・出勤途中で地震に遭った場合には、自宅と会社までの距離と徒歩での時間を考えて、自宅が近いなら帰宅することを優先する。

このように「自宅に留まる、戻る」ことに重点を置いて考えるようにしました。自宅が絶対安全という訳ではありませんが、会社に来て帰宅困難に陥るリスクを思えば、「引き返せるうちに引き返す」ことが結果的に身の安全、家族の安心に繋がるでしょう。



避難袋 非常袋 ファーストエイドキット

 一方で、東日本大震災のように就業時間中に地震が発生した場合は、会社に留まる形になりますので、その備えが大事になってきます。3.11の時は鉄道の復旧に数日を要する事態になり、比較的遠方に住む従業員の帰宅の足をどう確保するかが問題になりました。また、地震発生の時に外出していた営業マンが移動途中で足止めになり、宿泊施設も駅も一斉に閉じてしまう中で、どう対処するかも課題として浮かび上がりました。

金曜日は、自動車通勤の社員が8時過ぎから順次会社に到着し、在庫品の落下を含め建屋内に被害がないか、サーバー室に被害はないか確認し、問題がなかった旨を報告してくれたので安心しました。

私の方は、出社が困難になって自宅で待機している社員を車でピックアップするなどして会社へ向かいまして、9時前後からは徐々に鉄道の運行が始まり、出社予定のすべての社員がお昼前には会社に到着し、テレワークの社員も含め全員の安全が確認でき、なによりでした。

金曜夜のニュースでは、関東圏の主要乗換え駅で乗車待ちの長蛇の列が発生、上空からの映像が報道されていました。新型コロナで、列を作る時に前後の人と間隔をあける習慣が身についていることが分かり、改札からホームへはともかく、密が避けられていて良かったです。

乗換え駅で立ち往生した社員も列を離れ、熱中症にならないよう陽射しを避けられる場所で様子を見守る行動を取り、社員個人の知恵や判断、事前の申し合わせが安全確保に機能した形です。

私たちの社会はこの10年ほどの間にコンセンサスの形成が進み、大型台風に対しては鉄道会社が早めに運休の見込みを公表し、被害の発生を予防する対策を積極的に取ったり、地震を含む災害発生後の運行再開も、比較的短時間で達成できています。なにぶん都市圏は日常的に長距離通勤する会社員が多数いますので、災害時にまったくの混乱なしに対処するのは非常に困難だと思います。

東日本大震災あるいは北部大阪地震の際には、幸いにして都市部におけるビルの倒壊や道路の破壊、高速道路の転倒、広範囲の火災など大規模な被害は発生しませんでした。阪神・淡路大震災は未明の発生でしたが、当時の神戸市街の被害状況を考えると、あれと同じことが都市圏の朝や夕方の通勤時間帯に発生したら、一体どういうことになるのかと身が震えます。

この機会にあらためて、会社としての「災害時の社員の安全確保」について考えたいと思います。

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